東京ジオ鹿大学地理学科事務室

都市の観察の投稿が多いです。Twitterを中心に活動中

ジオ鹿牛田の観察② (大通りの観察と旧河道の発見)

 都市を細かく観察しようの会(仮)の第一回を,足立区牛田・関屋エリアで行いました!

deardee9215c.hatenablog.com

このときに,参加者の方々が感じていただいた内容をトゥギャッターでまとめましたので,こちらもご覧ください

 

↓↓前回の記事はこちら↓↓ 

deardee9215c.hatenablog.com

 

集合場所についてすぐ感じた驚き

私が到着してすぐ,個人的に驚いたのが,東武線の牛田駅と京成線の京成関屋駅の近さですね

50mくらいしか離れていなくて,パノラマがとれてしまうくらいの距離感でした

東武と京成で何かいざこざがあったのでしょうか?詳しい方は教えてください! 

 

 

そして,参加者が一番テンションが上がったトンネルです.

 

高さ制限が1.7mという表記がありますが,実際のところは1.8mくらいありそうですね.

ただし,過去にはガンガントンネルの入り口に頭をぶつける車がたくさんあったことがうかがえます.

ネットで検索してみると,高輪にある提灯殺しと並ぶレベルの低いガード下ということがわかります.

http://car-me.jp/articles/11155/1

 

大通りへ

墨堤通りという名前だそうですね.

この道を歩いていましたら,こんな表示がありました.

やはり,土地の標高的には低そうだというのがわかります.

 

また,大通りをしばらく歩くと,いわゆる「ロードサイド型」の店舗が見えてきました

 ジョリーパスタを知らない参加者がいて,少し驚いてしまいました.

(かといって私もあまり行ったことはないですが・・・)

 

それぞれのお店に近づくと衝撃の事実が!

なぜ潰れてしまったのでしょうか・・・

そして新しく入居するのは,「快活CLUB」でしたね・・・(読み間違えてました汗)

最近,ロードサイド型のネットカフェが増えてきている感じがします. 

 

聖地巡礼

そこから,墨田川沿いに進むと,今回,無作為に抽出されたポイント付近に到着します.

 今回は,この地点から半径300m以内のエリアを散策しています.

 

聖地からさらに南方へ進むと大きな橋がありました.

その名も「千住汐入大橋」

浅草方面と北千住方面を結んでいるので,交通量は比較的多いと思います.

そんな千住汐入大橋からの眺めに興奮しているツイートをご覧ください.

遠くには,「東京スカイツリー」もよく見えました. 

やはり,目立つシンボルが見えるエリアは地価が高くなるのでしょうか?

 

人工的に河川を固定しても,内側は土砂は堆積するようですね.

 鳥の憩いの場になっているようでした.

 

橋を渡ると,「都立汐入公園」が広がっています.

  やはり土曜日の天気の良い日ということもあって,親子連れが多かったですね!

 

 そこから,対岸を見渡すと大きなマンション群が建っていました.

 最初の地図を見たときに,「墨堤通り」を境に土地の大きさが異なる感じがする

という指摘がありました.

これは非常に的を得た指摘です.ここで旧版地形図を確認してみましょう.

f:id:deardeer9215c:20190414235303p:plain

出典:今昔マップ(http://ktgis.net/kjmapw/kjmapw.html?lat=35.742007&lng=139.812172&zoom=17&dataset=tokyo50&age=4&screen=2&scr1tile=k_cj4&scr2tile=k_cj4&scr3tile=k_cj4&scr4tile=k_cj4&mapOpacity=10&overGSItile=no&altitudeOpacity=2)

 今昔マップは過去の国土地理院が発行した地形図(旧版地形図)をWeb上で閲覧できるサービスです.土地利用の変遷を確認するときはこのWebページは非常に有用です.

 

旧版地形図を見ると,高度経済成長期頃(1960年代)には,大規模な工場がたくさん建てられていたようです.

その後,バブル期(1990年代初頭)になると工場跡地にマンション群が建設されるようになります.

この地域に工場の進出が進んだのは,墨田川の水運や常磐線へのアクセスの良さなどからと考えられます.

また,工場の撤退は地下水揚水規制と工業等制限法が背景にあると思われます.

 

ん?なんだこの違和感は・・・ 

街をめぐる中で,違和感を感じる構造物がありました.

これは,京成線の高架下の道路です.

歩行者用と車道がうまく分かれていますが,なぜこんな変な構造にしたのでしょうか?

これを見た瞬間私たちは猛烈な違和感に襲われましたが,原因をつかむことができず,その場を離れます.

しかしこの道沿いには,お地蔵様や祠がたくさんあることに気づきます.

「何かから守ろうとしているのだろうか??」

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築15年くらいのマンションのエントランスで使われていそうな石材でできた祠

そして,東武線とこの道を交差する地点で一人の参加者があることに気づきます.

「なんでここにガードがあるんだろうか?」

確認すると,人が通れないような僅かな隙間があることに気づきます.

 そうです.河川の跡ではないかという話が浮上します.

たしかに,この地域の「地図を判読」した際に,「旧河道が見える」という指摘がありました.

ここで,おもむろに古い年代の地図を確認した私は驚きました.

 やはり,河川がここにはかつてあったのです

付近の道路と比較すると明らかに道幅が広いので,もともと河川だったところを埋めて,道路にしているのだろうという結論になりました.

 

この発見に気づいた私たちは東武線の北側に行ってみることにしました.

そうすると・・・

 

現在,アスファルトで敷かれている道路はもともと河川だったところです.

車の車庫はありますが,家の玄関は反対側の道路に面して設置されていました.

車庫は後付けで作ったものではないかという推測ができます.

 

そしてこのツイートの画像左側のマンションの土地が三角形の土地でした.

参加者の一人から「この土地がすごく怪しい」という指摘が出ました.

 

旧版地形図を確認してみると・・・

f:id:deardeer9215c:20190415001714p:plain

出典:今昔マップ(http://ktgis.net/kjmapw/kjmapw.html?lat=35.745075&lng=139.811416&zoom=17&dataset=tokyo50&age=2&screen=2&scr1tile=k_cj4&scr2tile=k_cj4&scr3tile=k_cj4&scr4tile=k_cj4&mapOpacity=10&overGSItile=no&altitudeOpacity=2)

三角形の土地はもともと荒地で,河川が分流しているように読み取れます.

「このマンションは 河川の分流したところに立地している!!」

 

参加者が感じた「違和感」はよくよく調べてみると,きちんとした理由があることを痛感しました.

 常日頃から「都市の観察」という視点を持っておくと新しい発見があるかもしれません.

 参加者の中には,旧河道の音を感じる人もいるみたいです.

この写真で言うと,2つのマンションの間の何もないところがもともと河川が流れていた部分になります.

 

古い地図を見ながら,河川がもともと流れていた場所をたどると・・・

 

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河川がもともとあった場所と墨田川の合流地点

墨田川としっかり合流していることが分かりました.

 

都市の観察を終えて

牛田・関屋の観察を終えたところで,打ち上げをします.

打ち上げまでが観察ですからね!

 

歩き回った後のお酒はとてもおいしいです(ニコニコ)

 

 

都市の観察を通じて,様々なことが読み取れます.

そして,その「観察する視点」は人それぞれ異なるわけです.

 今まで経験してきたものとの「ずれ=違和感」を感じることによって,新たな発見が見えるとおもうのです.

 

ぜひ,皆さんも「細かい範囲を散策する」ということを通して都市観察の面白さを感じていってもらえたらなと思います.

 

次回は【6月1日(土)】を予定しています.

プログラムを走らせた結果,場所は飯田橋に決まりました.

飯田橋に決まる瞬間をご覧ください.

 

また詳細は追って連絡します.

皆様のご参加をお待ちしております.

 

ここまで読んでいただきありがとうございました.