東京ジオ鹿大学地理学科事務室

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千葉県の「島」に行きました

皆さんは,「千葉県の島」と聞いて,皆さんは何を想像するでしょうか?

多くの人は東京湾沿いの「埋立地」を想像するかもしれませんし、内房にある(浮島神社)を想像される方もいらっしゃるかもしれません(うさはかせ先生のご指摘により追加).

 

しかし、今回ご紹介するのは「内陸部」にある島なのです. 

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出典:背景図:地理院地/DEM:基盤地図情報

 

場所は千葉県香取郡多古町

成田空港からさらにバスで30分くらいの場所にある地域です.

 

この地域は下総台地とその合間にひろがる沖積低地が入り組んだエリアです.

その地域の「島」は沖積低地に囲まれた「丘」なのです.

周囲は「栗山川」「多古橋川」という2つの河川が流れており,このあたりの地形の基礎になっています.

ちなみに「栗山川」は千葉県内のみを流れる河川で夷隅川に次いで,2番目に流域面積が広いようです.

 

今回はこの「島」地区を訪れる機会がありましたので,今回はその時の様子を皆さんに共有出来たらいいなと思います.

 

いざゆかん!多古町

 このエリアに行くのに,私は,成田空港第二ターミナルからの路線バスで向かいました!

 

成田空港に行ったのに,飛行機に乗らないという変わった客になってしまいました.

それにしても,多古町行きのバスはかわいらしいですね!

 

バス車内の広告にこんなのがありました

 

なんでも鑑定団が来るみたいですねぇ

町にとっては一大イベントなのでしょうね!

みなさんも是非,鑑定を依頼してみてはいかがでしょうか?

「いい仕事してますねぇ~」

 

 

多古町行きのバスの行き先は「道の駅多古 あじさい館」でした.

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「道の駅多古 あじさい館」 壁に大きくゆるキャラの「ふくっらたまこちゃん」がいますね!

到着したのが昼頃なので早速おひるごはん

 

多古産の卵を使った親子丼です.

お米も多古産の「多古米コシヒカリで,ものすごく美味しかったです!!

 

 ついに「島地区」へ

ご飯を食べ終わったら,早速「島地区」へ向かいます

 

お花を全力で推している地域なようです.

なかでもあじさい」が有名なようで,栗山川沿いの遊歩道にはあじさいがたくさん植えられていました.

栗山川は平常時でも水面が高いことから自然状態であればもうすこし川幅が広いのかもしれません.

 

千葉の水田地帯の景観はこんな感じのところが多いですよね!

なだらかな台地が続いています

 

 

いよいよ島地区に潜入していきます.

 

沖積低地のど真ん中に突然現れる高台ですね

きれいな露頭が見えます.テフラ屋さんは行ってみてはいかがでしょうか?

 

かなり急な坂ですよね

坂を上りきった景観はこんな感じです.

 

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島地区を登り切った景観.だだっ広いエリアがひろがっています.

ちょうどこの辺りには「志摩城」と呼ばれる千葉氏のお城があったようです.

当時は島地区の周りはずぶずぶの湿地帯だったことから,攻められにくい地形で防衛面で優れていたと考えられます. 

 

お城をはじめ,かなり古くからある地域なので,お寺や神社が多くあります.

 

ここで注目したいのは正覚寺です.

江戸時代に禁令とされていた日蓮宗不授布施派」の隠れ信者による内信寺の機能があり,隠れて信仰していたようです.

幕府の弾圧を避けるために集落内の道を複雑にしていたようです.

集落の道がよくわかる図が消防団の建物にあったのでどれだけ複雑なのかを感じてください.

 

本当に何が何だかよくわからないですね...

 

また,島地区は全国に先駆けて「耕地整理」を行ったエリアだそうです.

耕地整理の褒美で教育機関の設立にこぎつけることができたことを考える,当時の村としては相当メリットが大きかったのだろうと思います.

 

 

浸食から逃れて周囲よりも高い地形が残っている「島地区」

時代を超えて,ズブズブな湿地帯ゆえに「到達しにくい」という特徴を生かしてお城や弾圧を逃れるためのエリアとして発展していきました.

 

千葉県の「島」のすごさを少しは感じることができましたでしょうか?

ぜひみなさんも行ってみてくださいね!