卒論を書くにはどうすればいいのだろう?
こんにちはジオ鹿です.
最近,後輩から「卒論について相談させてください」と相談を受けることが増えてきました.
私の後輩のように多くの大学生は「卒業論文」なるものを書かなくては卒業できないことが多いと思いますし,筆者である私も苦しみながらも、卒業論文を書きました.
「きちんとした卒論の書き方」は、大学の先生ももちろん教えてくれますが、かなり抽象的な説明で分かりにくいと感じる人も多いと思います.
一方で,ネット上の「卒論の書き方」は「書き方のテクニック」を示したものは多いですが,本質となる部分が欠けているものが多いように感じます.
中には,こんな感じで卒論に取り組む人もいるわけです.
卒論への取り組み方は人それぞれでしょうから,別にとやかく言いませんが,私の一連の投稿を読んでいただくと,このような取り組み方が「いかに愚かなことか」ということが分かると思います.
そこで,このブログでは、「正攻法で卒論をどうやって書けばいいのか?」ということを.卒論の内容を学会で発表した経験のある筆者が、書き綴ったものです.
特に私は地理学専攻でしたから,地理学という学問について触れていくことになると思います.
もちろん,学問によって大きく異なりますから,「こういうやり方もあるのか」と参考にしていただければよいと思います.
まず,今回の投稿では,
・卒論が何であるか?
・「勉強」と「研究」の違い
・「卒論」が「レポート」と言われないためには?
ということについてお伝えできればと思います.
具体的な卒論の書き方は後日ご紹介させていただきたいと思います.
□卒論は何だろう?
「卒論」とひとくくりに言っても,そもそもどういうものであるのかということが分からないと,取り組むことも厳しいですよね?
まずは「卒論」はどういうものであるのかを考えていくところから始めていきましょう.
ずばり,卒論は
「大学の学部を卒業するために提出する,研究成果をまとめた論文」
といえると思います.
ここで気になるのが「研究」という言葉です.
「研究すること」の本質が分からない限りは,まともな卒論を書くことはできなません.
□「勉強」と「研究」って何が違うの?
「研究」と似た概念に「勉強」があります.
どちらも「新しい知識を知る」という意味では似ているように思います.
しかしながらこの2つの概念は大きく異なるものであります.
ではまずは辞書で「研究」という言葉を調べてみましょう.
デジタル大辞泉の解説
けん‐きゅう〔‐キウ〕【研究】
[名](スル)物事を詳しく調べたり、深く考えたりして、事実や真理などを明らかにすること。また、その内容。「中世史を 研究 する」「対策を研究 する」「研究 者」「研究 発表」
ここで重要なのが「事実や心理などを明らかにすること.」という部分です.
「研究」という概念を図化するとこうなるでしょう.
人間が知っていることはある程度体系化されており,それがそれぞれの「学問」として成立していると考えるとよさそうです.
そして,人間が知っていることの周りには多くの知らないこと,「未知のこと」があり,その「未知のこと」を解明していくことが「研究」といえそうです.
では,「勉強」とはどういう概念なのでしょうか?
いかがでしょうか?
「勉強」は「自分が知っていること」と「人間が知っていること」のギャップを埋める作業に過ぎないのです.
勉強はどの段階でも必要です.
高校までは「社会に出て困らないようにするため」に勉強します.
もちろん,大学でも勉強は行いますが,この目的は「研究活動を行うため」であることを知っておく必要があります.
このように,「勉強」と「研究」は根本的に大きく異なるのです.
では,「研究を行う人」は「研究」と「勉強」の関係はどのように違うのでしょうか?
研究する人は,専門分野の「勉強」を繰り返していき,「人間が知っていること」の最前線で「研究」を行うわけです.
もちろん,専門外のことは「勉強」し続ける必要がありますし,
他の人が行った研究成果についても「勉強」し続ける必要があります.
このように「勉強」と「研究」は「新しいことを知ること」という意味で共通のことではありますが.本質的には全く異なるものなのです.
□卒論とレポートの違いは?
よく大学生のみなさんが大学の先生から言われるのは「君の書いた卒論はレポートだね」という言葉だと思います・
ものすごく頑張って調べて書いたのに,「論文ではないね」といわれるとものすごくショックだと思います.
でも,ここまで読んできた皆さんは「レポート」と「論文」の違いは分かってきたでしょうか?
「レポート」はあくまで「人間が知っていること」をまとめたものに過ぎないのです.
レポートではなにも「未知のこと」を明らかにできておらず,研究という意味では人間のためにちっとも役に立っていないのです.
(ただし,自分の勉強のためにはレポートは非常に有用なので,レポートの課題には全力で取り組んでください)
つまり,気を付けていく必要がありそうなのは,みなさんの「卒論」が「レポート」にならないようにしていく必要があるわけです.
□今回お伝えしたいことのまとめ
・「勉強」と「研究」は「新しいことを知る」という共通項はあるけど本質的に異なる.
・「勉強」は人間が知っていることと自分の知っていることのギャップを埋める作業.
・「研究」は人間が知らない「未知のこと」を明らかにすること.
・卒論は,人間が知らない「未知のこと」を少しでも明らかにするものでないといけない.
卒論は「未知のこと」を明らかにしなくてはいけないことはわかりましたが,なかなか「未知のこと」が何であるかを自覚することは難しいです.
次回以降の記事で「どうやって研究する内容を決めるのか」ということをお話していきたいなと思います.
それでは~