東京ジオ鹿大学地理学科事務室

都市の観察の投稿が多いです。Twitterを中心に活動中

批判をしたつもりが表現の自由を侵害してしまった事例

こんにちは。ジオ鹿です。
本日は、説明を求められている事柄について説明させていただきます。
 
まずは尾方先生にまとめていただいた、Togetterをご覧ください。
 
 
一見すると、私が悪いことになりますが、ここで1つ私の意見を聞いてほしいなと感じております。
 
 
きっかけとなるツイートです。
 
 
このツイートで最も伝えたいメッセージは何かというと、「長良川周辺は河川面よりも生活面が標高が低く、増水時には災害のリスクが増大する」というものです。
 
ここで尾方先生の指摘を見てみましょう。
 
確かに、地形学でいう「天井川」の定義は以下の通りです。
 
「川底が、周辺の地面の高さよりも高い位置にある川のことを天井川といいます。」

 

 
なので、ツイート発信者は天井川の定義を少し間違えて認識をしてしまっているというのは正しいです。
しかしながら、問題の本筋はどこでしょうか?
 
それは、
長良川が生活面よりも高いところを流れている」ことにあります。
 
この部分は正しいのにもかかわらず、この部分が正しいと明記せず、間違った部分のみを誇張して述べている点に私は疑問を感じています。
疑問を感じたからこそ、このツイートを発信しました。
 
 
その結果、このようなリプライを、尾方先生から多数頂きます。
以下私の意見です。
「暴力」
→突然横から「そのことは誤りである。(そんなことすらあなたは知らないのですか?)」と述べているように私個人として感じたからです。
「暴力」という言葉は「力(知識)でもって相手を牽制している様子」を暴力という比喩表現として使用しました。
この表現に関して先生が「名誉毀損」や「侮辱罪」と捉えられてしまうことは想定しておりませんでした。申し訳ありません。
 
 
アウトリーチとか言ってる場合じゃないでしょう」は、尾方先生の発信が市民が科学に対する関心を萎縮させる可能性があり、アウトリーチと真逆ではないかという指摘です。
 
私が考えるアウトリーチは、市民が学問を気軽にたのしめることにあると考えており、正しい知識を入れることは重要ですが、それ以上に「楽しい」という感想や「調べ方を知る」ということも重要だと感じています。
 
今回に関していえば、ユーザーは「天井川」のことではなく、「生活面が河川の水面よりも低く危険な状況」ということを伝えたいと考えられます。是非、この発信の学術的に正しい述べ方を発信していただきたいと思うのが背景にあります。
 
 
 
尾方先生がおっしゃる「間違っている知識」が本当に間違いなのかをきちんと確認していない姿勢から述べています。
少なくとも(先生が誤りだと感じる)1つの誤った出典によって市民が間違えた認識を生じてしまっているのであれば、非難するのは、先生のお考えと反する出典ではないでしょうか?
それを「見るに値しない」と切り捨てるのは、先生ご自身の知識に自信があるからではないでしょうか?
 
 
 
ちなみに、国土交通省中部地方整備局HPには、以下のような記述があります。
 
  木曽三川が流れる濃尾平野には、日本最大の海抜ゼロメートル地帯が広がっています。
  この地帯では、洪水時の河川水位が周辺の地盤高よりかなり高い”天井川”のため、万一堤防から水があふれると、洪水の流れは地盤高の低い市街地や耕作地等に氾濫し、大きな浸水被害を及ぼすことになります。

 

このように、地形学的には異なる解釈が一般に広がっていることも現実です。
これらの文献の誤った記述に対して問題提議をお願いいたします
 
 

 

揚げ足に関しては、ツイート発信者が意図しない内容を指摘して、その部分のみを拡大して発信することを意図していました。
 
用語の使われ方に関しては、出典の内容と先生のお考えは一致しており、私が誤った発信をしておりました。ご指摘をしていただきありがとうございます。
 
 
 
 

市民のツイートを晒して、明確な説明がないまま「間違っている」と指摘する内容を引用リツイートしていることを吊し上げるという表現を用いています。

 
□追記(20190915)
その後のやり取りの中で、私が申しあげた「吊し上げ」という表現が完全に不適切であったことが判明いたします。
 私個人としては、「尾方先生」が「1年も前のツイート」を掘り出してきて言及をされていたと解釈を行ってしまったため、発生したトラブルでした。
改めて謝罪いたします。申し訳ありませんでした。


 
 
 

最初のツイート発信者が参考にしたソースを確認せずに、「見るに値しない」と述べてしまっているところに「残念な結果」だと感じています。

一般に間違っている知識が掲載されている出典を批判せずに、「見るに値しない」という言葉で片付けてしまっているところに関して「残念」と申し上げております。
 

 こちらに関しては、私が尾方先生に意見をリプライとして最初から申し上げなかったことに問題があります。申し訳ありませんでした。

私は、ご指摘を受けたらきちんと返信を行っており、「自分の責任を放棄している」ということはございません。

  

◻︎まとめ

 今回に関しては、「暴力」や「吊るし上げ」というような表現を用いることによって、名誉を毀損したり、侮辱と取れるような発信をしてしまい申し訳ありませんでした。
 
先に述べたように、私の中で飛躍した考えのもと、勝手な類推を行い、意見を表明してしまったことで尾方先生を傷つけてしまったことは謝罪いたします。
 
ただ、そのような飛躍をしてしまった背景を説明させていただきます。
 
私は科学者の中でも、尾方先生が行っている、市民に積極的に情報発信をして学問の「正しい知識」を広めようとしていらっしゃる姿勢は理解できます。
 
また、私自身も、学生時代に学んだ学問の面白さを広める活動を積極的に行なっていきたいと感じています。
 
私がアカデミックの人間に求めることは、「正しいことを伝えること」ということと同時に「何が具体的に違うのか、どうやったら正解を導き出せるのか」といったことを同時に教えてほしいと感じています。
 
「何が間違っているのか」がわからない状況だと、市民が科学的な発信を試みようとする中で、間違いを恐れ発言を控えてしまい、科学分野に関心がある市民を萎縮させてしまう可能性があると感じています。
  
今回に関しては、私の考えるアウトリーチ像と先生のお考えに乖離があり、私が飛躍した解釈を行なってしまったことが大きな原因と考えております。申し訳ありませんでした。
 
 

□追記

尾方先生が、この文章を読んでいただき以下のような感想をしていただきました。 

 

Twitterを活用されていらっしゃるのですが、アウトリーチの文脈とは関係がないとおっしゃっております。

アウトリーチ活動に関して積極的に行っている方でしたから、一生懸命Twitterでの発信に取り組まれていると感じていたのですが、そうではなかったのですね。

本ブログで指摘した内容を、お仕事にも活用していただけるとのことなので、今後は尾方先生がペーパーで発表されたものを読んでいきたいと思っております。

 

それでは~